「不本意ではあるけれど、パートをばっくれて辞めたい。その場合、働いた分の給料はもらえる?」
ばっくれとは無断欠勤をして、そのまま自然退職をすること。
社会人として決して良い辞め方ではありません。そんな事はおそらく本人も理解していると思います。
それを差し引いても、修復できない人間関係やストレスが大き過ぎて、自分の身を守るためにどうしても2度と職場と関わりたくない、、、
そういうパートさんも世の中にゼロではないと思い、記事にまとめてみました。
この記事を最後まで読んでもらえれば、ばっくれのリスク、給料について、退職時の注意点などが分かります。本当にばっくれるかどうか?判断材料にしてくださいね。^^
パートの退職の種類
ばっくれて退職する事は、何だか全てを有耶無耶にして辞めるという印象がありますが(実際にそうですが)、これも1つの想定された退職カテゴリーに入ります。
退職のカテゴリーにはどんな種類があるか、ここで確認してみましょう。
大きく2つのカテゴリーがあり、「自己都合退職」「自然退職」に分かれます。ばっくれは「自然退職」の内訳の一番下にある、長期欠勤後の退職にあたります。
種類 | 発動条件 | 退職日 | |
---|---|---|---|
自己都合退職 | 従業員から申し出る退職 | 従業員の退職希望日 | |
自然退職 | 死亡退職 | 死亡と同時に自動的に退職 | 死亡日 |
定年退職 | 会社が定めた年齢に達したときに退職 | 定年に達した日 | |
休職期間満了後の退職 | 私傷病による休職制度で、休職期間が満了しても復職できないとき | 休職期間満了日 | |
雇用契約期間満了したことによる退職 | 有期契約社員が雇用契約期間を満了したとき | 雇用期間満了日 | |
長期欠勤後の退職 | 無断欠勤などで会社が定めた猶予期間を超えて欠勤が続いたとき | 猶予期間を経過した日 |
発動条件として、無断欠勤などで会社が定めた猶予期間を超えて欠勤が続いたとき、とあります。
会社の就業規則で猶予期間が何日と定められているか確認しておきましょう。
一般的には、1~2日無断欠勤したくらいではいきなり退職扱いにはなりません。
数日程度の無断欠勤だと、会社側はあなたの健康上の深刻な問題や、何かの事故に巻き込まれた可能性を心配するため、親族や保証人へ連絡が入るでしょう。
ばっくれ辞めの前に有給休暇について知っておく。(パートでも有給化はあるんです)
パートのばっくれ退職後のリスクと給料について
ばっくれは社会人として決して良い辞め方ではありません。
できれば回避して欲しいですが、本当にやむを得ない理由があり、ばっくれてしまった人向けに、リスクと給料について説明します。
パートのばっくれ退職後の給料
原則として働いた分のお給料は貰えます。会社側には支払う義務があります。
但し、給料手渡しの会社の場合は受取時にイヤミの1つでも言われる可能性があるので、メンタル的にしんどい思いをするかも知れません。
あと、減額リスクの可能性があるので、以下に注意してください。
パートのばっくれ退職後の貸与品
会社から貸与品があった場合、返却しないと弁償されられる可能性があります。
最後の給与から相殺処理されるケースが殆どだと思いますが、最後の給与額で不足する場合は、給料が出るどころか逆に請求書が来てしまいます。
自分で返却しに行きたくないと感じる場合は、会社へ郵送しましょう。
制服・エプロン・靴
汚れたまま返すとクリーニング代を請求される事もあるので、きちんと洗濯して返却しましょう。
社員証
磁気カードタイプは紛失時に費用負担させられるケースがあります。
鍵
紛失すればセキュリティ上、鍵の交換が発生するので費用負担させられるケースがあります。
パートのばっくれ退職後の罰則金
罰則金について就業規則等に記載がある場合は要注意です。
「無断欠勤」「無断退職」などの記載項目がないか、就業規則や雇用契約書を確認しましょう。
もし罰則金(反則金)の社内規定があった場合、その金額を給与から減額請求されますが、法令で定められた金額の範囲内かどうか確認する必要があります。
制裁規定の制限(労基法 第91条)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
【2. 平均賃金】
算定事由発生日(長期欠勤後の退職日)以前の3ヶ月間の賃金をベースに算出。以下2つの計算結果より大きい方の金額を適用する。
(1) : 算定期間中の賃金総額 ÷ 算定期間の歴日数
(2) : 算定期間中の賃金総額 ÷ 実労働日数 × 60%
<計算例>
算定期間中の賃金総額が30万円、算定期間の歴日数が90日、そのうち実労働日数が36日のとき。
(1) : 300,000 ÷ 90日 = 3,333円
(2) : 300,000 ÷ 36日 × 0.6 = 5,000円
この場合、平均賃金は5,000円が適用される。
従って、この時の減給限度額は
【1回の額】平均賃金の1日分の半額を超えてはいけない。→2,500円が限度額。
【総額】一賃金支払期(1ヵ月)の賃金総額の10分の1を超えてはいけない。→減給月の給料が10万円であれば、10,000円が限度額。
パートのばっくれ退職後の機密情報の守秘義務
会社の企業秘密(営業ノウハウ、顧客データ、製造方法、原価情報など)を外部へ持ち出す情報漏洩は犯罪です。
営業秘密保護法違反や不正競争防止法違反などの罪に問われる恐れがあります。
退職理由や辞め方に関係なく、在職中に知り得た情報は外部に漏らさないように注意しましょう。
パートのばっくれ退職【まとめ】
いかがでしたか?最後にまとめます。
貸与品を綺麗にして返却する
罰則金の社内規定を確認する
機密情報を漏らさない
上記に注意すれば、ばっくれでの退職でも金銭的なダメージは最小に抑えることができます。
但し、社会人として決して良い辞め方ではありません。
修復不能な人間関係やストレスが大き過ぎて、自分の身を守るためにどうしても2度と職場と関わりたくない、、、という方のみ最終手段としてご検討ください。
家族から代わりに電話連絡して貰うなども選択肢の1つですね。
面接をばっくれるのとは訳が違いますので、良く考えましょう。
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他の辞め方も検討してみたい方はこちらの記事もどうぞ。
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